自動ドアのセンサーの種類と特徴を徹底解説【赤外線・電波・タッチ式】

「自動ドアのセンサーにはどんな種類があるの?」「うちの建物にはどのセンサーが合っているんだろう?」

自動ドアの快適な動作を支えているのがセンサーです。人の接近を正確に検知し、ドアの開閉を指示する——いわば自動ドアの「目」にあたる最重要部品です。しかし、センサーと一口にいっても種類は複数あり、検知方式・得意な環境・コストがそれぞれ異なります。

設置場所や利用状況に合わないセンサーを選ぶと、反応しない・誤作動が多い・電気代がかさむといったトラブルに直結します。逆に、適切なセンサーを選べば、快適な出入りと安全性を長期間にわたって維持できます。

この記事では、自動ドアに使われる3種類のセンサー(赤外線・マイクロ波・タッチ式)について、仕組み・メリット・デメリット・適した設置場所を徹底解説します。さらに比較表・選び方ガイド・最新技術まで網羅しているので、新規設置・交換を検討中の方は最後まで読んでみてください。

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自動ドアのセンサーが果たす役割

自動ドアのセンサーが果たす役割

センサーの種類を解説する前に、自動ドアにおけるセンサーの役割を整理しておきます。

自動ドアは「センサー → コントローラー → モーター → ベルト → ドアパネル」という流れで動作しています(詳しくは自動ドアの仕組みを図解で解説!構造と各部品の役割をご覧ください)。この流れの起点となるのがセンサーです。

センサーには大きく分けて2つの役割があります。

  • 起動センサー(メインセンサー): 人の接近を検知してドアを開ける。ドア上部の無目(むめ)カバーや天井に設置されている
  • 補助センサー(安全センサー): ドアの閉鎖中に人が挟まれないよう監視する。ドアの両サイドや開口部に設置されている

この記事では、主に起動センサーの3種類について解説します。


赤外線センサー——最も普及している定番タイプ

赤外線センサー——最も普及している定番タイプ

仕組み

赤外線センサーは、赤外線(人間の目には見えない光)を利用して人の存在を検知するタイプです。現在、業務用自動ドアに最も多く採用されています。

赤外線センサーにはさらに2つの方式があります。

能動型(反射式)
センサーから赤外線ビームを床面に向けて照射し、人が通過したときの反射光の変化を検知する方式です。現行機種の大半がこの方式を採用しています。検知エリアを面で捉えるため、精度が高く安定しています。

受動型(熱感知式・PIR式)
人体が自然に発する遠赤外線(体温による熱放射)を検知する方式です。焦電素子(パイロエレクトリックセンサー)を使用し、温度変化のある移動体を検知します。比較的古い機種や、特定の用途に限定されるケースで使われています。

メリット

  • 高い検知精度: 反射式は検知エリアを細かく設定できるため、ドア前のピンポイントで反応させることが可能
  • 静止した人も検知できる: 反射式はドアの前で立ち止まっている人も継続的に検知できる。ドアが突然閉まるリスクが低い
  • コストが安い: 最も流通量が多いため、部品代・交換費用ともに3種類のなかで最も安価
  • 消費電力が少ない: マイクロ波に比べて電力消費が少なく、ランニングコストを抑えられる

デメリット

  • 汚れに弱い: センサー表面にホコリ・排気ガス・クモの巣などが付着すると、赤外線の送受信が妨げられて感度が低下する
  • 直射日光の干渉を受ける: 日光に含まれる赤外線がノイズとなり、誤作動や感度低下を引き起こすことがある
  • 黒い服・薄手の素材を検知しにくい場合がある: 反射式の場合、赤外線を吸収しやすい黒色の衣服や赤外線を透過しやすい薄い素材では反射光が弱くなり、検知されにくくなることがある
  • 定期清掃が必要: 性能維持のために月1回以上の表面清掃が推奨される

適した設置場所

  • オフィスビルのエントランス
  • クリニック・調剤薬局の入口
  • コンビニ・スーパーの出入口
  • マンションの共用エントランス
  • 屋内の自動ドア全般

赤外線センサーは屋内環境、または屋根・ひさしのある半屋外環境に最も適しています。直射日光や風雨が直接当たる完全屋外では、他のタイプも検討すべきです。


マイクロ波センサー(電波式)——悪天候に強い高性能タイプ

マイクロ波センサー(電波式)——悪天候に強い高性能タイプ

仕組み

マイクロ波センサーは、マイクロ波(2.4GHzまたは24GHz帯の電波)を照射し、ドップラー効果を利用して検知を行うタイプです。

ドップラー効果とは、動いている物体に当たって反射した電波の周波数が変化する現象です。センサーから発射されたマイクロ波が人に当たると、人の動きに応じて反射波の周波数がわずかに変化します。この変化を検知して「人が近づいている」と判断する仕組みです。

救急車のサイレンが近づくと音が高く聞こえ、遠ざかると低く聞こえるのと同じ原理です。

メリット

  • 汚れや天候の影響を受けにくい: 電波はホコリ・雨・霧を透過するため、赤外線センサーのように表面の汚れで感度が落ちにくい
  • 衣服の色や素材に関係なく検知できる: 電波は赤外線と異なり、黒い服でも白い服でも等しく反射するため、服装による検知差がほぼない
  • 広い検知範囲を確保できる: 電波の特性上、赤外線センサーよりも広い範囲をカバーできる
  • 設置場所の制約が少ない: 直射日光の影響を受けないため、完全屋外でも安定動作する

デメリット

  • 静止している人を検知しにくい: ドップラー効果は「動き」を検知する仕組みのため、ドアの前で完全に立ち止まっている人を検知できない。ドアが閉まり始めてしまう可能性がある
  • 誤反応の可能性: 風で揺れるのぼり・看板・植栽、走り回るペットや鳥などにも反応してしまうことがある
  • 赤外線センサーより高価: 部品代が赤外線センサーの1.5〜2倍程度
  • 消費電力がやや大きい: マイクロ波を常時照射するため、赤外線センサーよりも電力を消費する

適した設置場所

  • 大型商業施設の入口(人通りが多く常に動きがある環境)
  • 病院・介護施設のエントランス(車いす・ストレッチャーの通行に対応)
  • 屋外に面した出入口(風雨・砂埃が多い環境)
  • 物流倉庫・工場の搬入口(粉塵が多い環境)
  • 交通量の多い道路沿いの建物

マイクロ波センサーは環境の影響を受けにくいタフさが最大の強みです。ただし、静止検知の弱点があるため、補助センサー(安全光線センサーなど)と組み合わせて使うのが一般的です。

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タッチ式センサー(押しボタン・タッチスイッチ)——確実な操作性の安心タイプ

タッチ式センサー(押しボタン・タッチスイッチ)——確実な操作性の安心タイプ

仕組み

タッチ式センサーは、利用者がボタンやパネルに触れる(または手をかざす)ことでドアを開閉するタイプです。厳密にはセンサーというよりスイッチに近い仕組みですが、自動ドアの起動装置として広く使われています。

タッチ式にも2つの方式があります。

物理ボタン式
壁面やドア横に設置されたボタンを押すことでドアが開く。接点のON/OFFという最もシンプルな仕組みです。

静電容量式(タッチスイッチ)
パネルの表面に手を触れる(または近づける)と、静電容量の変化を検知してドアが開く。近年は非接触型(手をかざすだけで反応する)のタイプも増えています。

メリット

  • 誤作動がほぼない: 人の意思で操作するため、風や動物、障害物による誤作動が起きない
  • 不用意な開閉を防げる: 特定のタイミングでのみドアを開けたい場合に最適。空調効率の維持やセキュリティの確保に貢献する
  • 構造がシンプルで故障が少ない: 機械的な構造が単純なため、赤外線やマイクロ波センサーに比べて故障率が低い
  • コストが最も安い: 3種類のなかで部品代・交換費用ともに最も安価

デメリット

  • 手がふさがっていると使えない: 両手に荷物を持っている場合や、車いすの方にとって操作が困難になる場合がある
  • 衛生面の懸念: 不特定多数の人が触れるため、感染症対策の観点でデメリットになることがある(非接触型で解消可能)
  • 通行量の多い場所には不向き: 一人ひとりがボタンを押す必要があるため、人の出入りが激しい場所ではスムーズな通行を妨げる
  • 接触部の劣化がある: 物理ボタン式はスイッチ接点の摩耗、静電容量式はパネルの劣化が長期的に発生する

適した設置場所

  • 病院の病棟出入口(患者の無断外出防止)
  • 介護施設の居室エリア入口
  • クリーンルームの入口(不必要な開閉による汚染防止)
  • 機械室・サーバールームの出入口(セキュリティ目的)
  • 風が強い場所の出入口(強風によるドアの暴走防止)

タッチ式は「開けたいときだけ開く」という制御性の高さが最大の強みです。自動ドアの利便性と、不用意な開閉を防ぐ安全性・セキュリティを両立できるタイプです。


3種類のセンサー比較表

3種類のセンサー比較表
比較項目赤外線センサーマイクロ波センサータッチ式センサー
検知方式赤外線の反射・体温電波のドップラー効果物理接触・静電容量
検知精度★★★★☆★★★★☆★★★★★(操作式)
静止者の検知○(反射式)△(苦手)─(操作で開閉)
汚れ・天候への耐性△(弱い)◎(強い)○(普通)
誤作動の少なさ△(風・動物に反応)◎(ほぼなし)
部品代の目安1.5万〜3万円2.5万〜4万円0.8万〜2.5万円
交換費用の合計3万〜5.5万円4万〜6万円2万〜4万円
耐用年数7〜10年7〜10年5〜8年
消費電力少ないやや多い最小
推奨環境屋内・半屋外屋外・粉塵環境セキュリティ重視
普及率★★★★★(最多)★★★☆☆★★☆☆☆

センサーの交換費用について詳しくは自動ドアのセンサー交換費用はいくら?種類別の相場と節約術で解説しています。


設置場所別・センサーの選び方ガイド

設置場所別・センサーの選び方ガイド

「結局、自分の建物にはどのセンサーがいいのか」を判断するための選び方ガイドです。

判断基準1:設置環境

環境推奨センサー理由
屋内(空調管理下)赤外線汚れ・日光の影響が少なく安定動作
屋根あり半屋外赤外線コスパ最良。定期清掃で十分対応可能
完全屋外マイクロ波天候・汚れに強い
粉塵・排気ガスが多いマイクロ波電波は粉塵を透過する
強風が多いタッチ式風による誤作動を完全に防げる

判断基準2:利用者の特性

利用者推奨センサー理由
不特定多数(商業施設)赤外線 or マイクロ波自動検知でスムーズな通行
車いす・高齢者が多いマイクロ波 + 補助広い検知範囲で確実に検知
限定された関係者のみタッチ式セキュリティと空調効率を確保
荷物を持った人が多い赤外線 or マイクロ波手を使わず通行できる

判断基準3:優先するポイント

優先事項推奨センサー
コストを抑えたい赤外線(部品代・交換費が比較的安価)
メンテナンスの手間を減らしたいマイクロ波(清掃頻度が少ない)
誤作動を絶対に防ぎたいタッチ式(意図的操作のみで動作)
安全性を最優先赤外線 + 補助センサー併用

迷った場合は赤外線センサーを第一候補にしてください。最も実績が多く、コスト・性能・信頼性のバランスが優れています。設置環境に特殊な条件がある場合にのみ、マイクロ波やタッチ式を検討するのが合理的です。


最新センサー技術の動向

最新センサー技術の動向

自動ドアのセンサー技術は年々進化しています。今後の交換・新規設置の参考になる最新トレンドを紹介します。

3Dセンサー(ToF方式)

Time of Flight(光の飛行時間計測)方式を使い、検知エリアを3次元で把握するセンサーです。従来の2Dセンサーでは難しかった「人の位置・速度・方向」を正確に捉えられるため、よりスムーズで安全な開閉制御が可能になっています。

AIセンサー(画像認識型)

カメラとAI(人工知能)を組み合わせたセンサーです。人と荷物・動物を識別できるため、誤作動を大幅に削減できます。さらに、通行者のカウント・動線分析といった付加価値も提供できるため、商業施設での採用が広がり始めています。

非接触タッチセンサー

コロナ禍を契機に急速に普及したタイプです。パネルに手をかざすだけ(触れなくても)で反応するため、衛生面の懸念を解消しつつタッチ式の制御性を維持しています。病院・介護施設・食品工場で導入が進んでいます。

ハイブリッドセンサー

赤外線とマイクロ波を1台に統合したセンサーです。それぞれの弱点を補完し合うことで、あらゆる環境・服装・動作状態で安定した検知を実現します。コストは従来のセンサーより高めですが、誤作動と検知漏れの両方を大幅に低減できるため、安全性を最重視する施設での採用が増えています。

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まとめ

自動ドアのセンサーは大きく赤外線・マイクロ波・タッチ式の3種類に分かれ、それぞれに得意な環境と弱点があります。

3種類の要点:

  • 赤外線センサー: 最も普及・低コスト・高精度。屋内環境に最適。汚れと直射日光に注意
  • マイクロ波センサー: 天候・汚れに強い。屋外・過酷環境向き。静止者の検知が苦手
  • タッチ式センサー: 誤作動なし・低コスト。セキュリティ・空調管理に最適。通行量の多い場所には不向き

選び方の基本:

  1. まず設置環境(屋内か屋外か、汚れの程度)を確認する
  2. 次に利用者の特性(不特定多数か限定か、車いす利用者の有無)を考慮する
  3. 最後にコスト・メンテナンス性・安全性の優先順位で絞り込む

迷ったら赤外線センサーが第一候補です。特殊な事情がある場合のみ、マイクロ波やタッチ式を検討してください。

センサーが反応しないなどのトラブルが起きた場合は自動ドアのセンサーが反応しない!原因と応急処置まとめを、交換費用の詳細は自動ドアのセンサー交換費用はいくら?種類別の相場と節約術をあわせてご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 自動ドアのセンサーが反応しないのですが、センサーの種類によって対処法は変わりますか?

はい、センサーの種類によって対処法が異なります。赤外線センサーの場合は、まずセンサー表面の清掃が最優先です。ホコリや汚れが原因であることが多く、柔らかい布で拭くだけで改善するケースが大半です。マイクロ波センサーの場合は、検知範囲内に風で揺れるのぼりや看板がないか確認してください。また、マイクロ波は「動き」を検知する方式のため、ドアの前で完全に静止していると反応しないことがあります——少し体を動かしてみてください。タッチ式の場合は、ボタンやパネルの接触面が汚れていないか確認し、清掃してから再度操作してみてください。いずれの場合も、清掃・電源リセットで改善しなければ業者への相談をおすすめします。

Q2. 赤外線センサーからマイクロ波センサーに交換することはできますか?

多くの場合、可能です。 ただし、センサーの種類が変わるとコントローラー(制御基板)との互換性や配線仕様が異なる場合があります。同じメーカーの製品であれば比較的スムーズに交換できますが、異なるメーカーの製品に変更する場合や、古い制御盤を使用している場合は、制御盤側の改修が必要になり追加費用(5万〜10万円程度)が発生することがあります。交換前に必ず業者に現地調査を依頼し、互換性と総費用を確認してください。

Q3. 1台の自動ドアにセンサーは何個付いていますか?

一般的な引き戸式の自動ドアには、2〜4個のセンサーが付いています。内訳は、ドアの外側と内側にそれぞれ1つずつの起動センサー(メインセンサー)と、ドアの開閉部分に設置される補助センサー(安全センサー)です。起動センサーが人の接近を検知してドアを開け、補助センサーがドア閉鎖時の挟み込みを防止します。大型の両引き式や回転ドアでは、さらに多くのセンサーが設置されていることもあります。

Q4. センサーの寿命を延ばすために日常的にできることはありますか?

最も効果的なのは定期的な表面清掃です。特に赤外線センサーは表面の汚れが感度に直結するため、月1回程度、柔らかい布(マイクロファイバークロス推奨)で優しく拭き取ってください。水またはアルコールで軽く湿らせた布を使い、シンナーや有機溶剤は避けてください(レンズコーティングが傷みます)。マイクロ波センサーは汚れの影響を受けにくいですが、半年に1回程度は清掃しておくと安心です。タッチ式は操作面を週1回程度拭き取ることで、接触不良を予防できます。また、センサー周辺に障害物(のぼり・看板・観葉植物)を置かないことも、誤作動防止とセンサー保護に有効です。

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